それでは、どうやって不動産ビジネスの資金を確保すればよいのでしょうか。
資金の調達方法には、コーポレート・ファイナンス(企業金融Corpo-rate Finance)とアセット・ファイナンス(資産金融: AssetFinance)の2通りがあります。
コーポレート・ファイナンスはその名の通り、企業そのものの価値(信用力)、全保有資産を引き当てとして資金を調達する方法です。
企業の銀行からの借り入れ(間接金融と呼びます)は、その典型例です。
企業が株式や社債(企業が発行する債券)を発行して、投資家から直接資金を調達する(直接金融と呼びます)のも、この範噂に含まれます。
日本の一般企業(金融機関を除く)では、資金調達全体に占める金融機関からの借り入れ比率は約50%です。
米国の13%程度と比べて高い水準にあるので、株式や社債を発行して資金を集める(直接金融)余地が、まだかなりあります。
従って企業としては、直接金融を利用して不動産ビジネス資金を集めることを、選択肢の一つとして検討する必要があります。
一方、アセット・ファイナンスは、企業ではなく特定の資産だけを引き当てとして資金を調達する方法です。
例えば、企業が保有している不動産や売掛金債権などの資産を証券化して資金を調達するような方法です。
最近では、このような資産を担保とした証券(ABS - Asset Backed Securitiesと呼びます)の市場が著しく拡大しています。
不動産はまさにアセット・ファイナンスの対象となる資産ですので、これからは不動産ビジネスの資金調達手段として、不動産の証券化などのアセット・ファイナンスをうまく活用していくことが大切になってきます。
このように不動産ビジネスを展開する企業は、従来型のコーポレート・ファイナンスによる銀行からの借り入れだけでなく、多様な手法を駆使して資金調達を図ることが求められています。
また不動産投資ビジネスでは、金融面のことも同時に視野に入れる必要があり、このことが、前段でも指摘した不動産と金融の融合を促進させることにもつながっています。
戦後不動産システムの変貌最後に少し中長期的な視点で現在の環境変化をとらえると、第二次世界大戦後に整備されてきた不動産関連の様々な制度が、そろそろ変貌を迫られる時期を迎えているといえます。
それに伴い、不動産ビジネスも変革し成長していくことが求められているのです。
日本の主な不動産関連の法律は、おおよそ1960年代までにその骨格が固まっています。
建物の最低基準を定める「建築基準法」は1950年、不動産業を営む者にとっての憲法である「宅地建物取引業法」は1952年、都市計画の内容や決定手続き、各種制限を規定する「都市計画法」は1968年に成立しています。
こうした中核となる法律が、時代の流れに合わせて、ここ数年で次々と改正されています。
例えば建築基準法や都市計画法は、用途規制や容積率・建ぺい率などを緩和し、建物の建築に融通性を持たせることができるように改正されてきています。
宅地建物取引業法も、契約の締結前に取引の相手方などに説明する「重要事項」が追加・変更され、消費者保護を充実するための改正がなされています。
また、消費者保護の充実、マンション建て替え問題、環境問題、証券化の進展といった時代背景の変化に対応すべく、ここ数年問で新たな法律・制度が急速に整備されてきています。
1999年には新築住宅の売り主などの瑕疵担保責任(不動産に欠陥があったときの責任)を加重する「住宅品質確保促進法」が制定され、 2000年には良好な借家供給を促すために「定期借家制度」(期間満了すれば、賃貸人の正当事由の有無にかかわりなく貸貸借関係が終了するもの)が創設されました。
マンション管理の適正化や建て替えの円滑な実施を目的として、 2000年に「マンション管理適正化法」が、 2002年には「マンション建替円滑化法」が制定されました(「区分所有法」の改正を伴います)。
また、最近話題になっている土壌汚染-の対応を進めるために、 2002年に「土壌汚染対策法」が制定されています。
そのほかにも、高齢者向け住宅の整備、不動産の証券化を促進するための法律の制定・改正などが急ピッチで進められています。
このような法改正の動きをみるだけでも、既存の法律がそのままでは実態にそぐわなくなってきたか、あるいは新たな法制定を求める環境変化が起きていることがわかります。
もちろん、これまでも時代に対応するために様々な法整備がなされてきたのですが、その程度やスピードといった点で、最近の動きは際立っています。
不動産投資ビジネスの時代変化が生じているのは、法制度だけではありません。
不動産鑑定評価についての統一的基準である「不動産鑑定評価基準」 (1964年制定)も大幅に改正され(2003年から施行)、鑑定評価で不動産の収益性を重視することや、鑑定結果についての説明責任(正確でわかりやすい説明)を強化することなどが盛り込まれました。
低利で長期の住宅ローンを提供してきた住宅金融公庫が廃止され、代わりに証券化支援事業(証券化スキームを活用して、長期固定金利の住宅ローンを民間の金融機関が提供することを支援する事業)を行なう独立行政法人が設立されることも、今後の住宅事業に大きな影響を及ぼすと予想されます。
不動産の取引慣行にも変化が生じ始めています。
例えば、ビルのテナントはビルの所有者に対して毎月、賃料と共益費(共用部分の給水光熱費、維持管理費など)を支払います。
賃料とは別に共益費を支払う慣行は、戦後の地代家賃統制令(1946年制定、統制額以上の地代・家賃の受領を禁じるもの)のなかで、共益費は賃料とは別物であるという考え方に基づいて導入された制度です。
地代家賃統制令が1986年に完全に廃止された後も、この慣行は残っていました。
しかし、最近ではオフィスビルの賃料交渉をするときに「共益費込みで賃料いくら」というようにして賃料を決めることが一般化しつつあります。
このことは、共益費を別立てとする慣行が、薄れてきていることを物語っています。
このほかにもオフィスビルの賃貸借契約の2年〜3年ごとの更新、継続賃料、権利金・敷金の受領など、これまでの慣行が続いている例は数多くあります。
こうした慣行もその必要性に応じて、見直すべき時期が到来しているといえるでしょう。
また、戦後50年以上の間に相当数のビルやマンションが建設され、そのストックは膨大なものになっています。
これからは、それらのリニューアル(改修)や建て替えをどうすべきかという視点がこれまで以上に重要になってきます。
環境変化が促す不動産投資市場の成長前段で説明した不動産ビジネスを取り巻く様々な環境変化が、これまで日本では未発達だった不動産投資市場の成長を促し、それが不動産投資ビジネスの拡大につながっています。
不動産リスクの顕現化、利用価値による不動産の評価の普及は、不動産の有効活用や流動化を促します。
不動産の流動化とは、不動産が売買されたり証券化されたりして、流通市場に出回るようになることです。
不動産リスクが顕現化するなかで、不動産を利用しないで保有し続けることは、それに見合う対価がないのに、単に保有リスク(不動産の価格下落、地震・火災などによる滅失など)だけを負担することを意味します。
不動産の所有者は、賃貸ビルなどの収益資産として利用可能なものは、できるだけ有効に活用しようとするでしょう。
不動産投資の必要性を考えます。デザインが豊富な不動産投資です。
不動産投資の実態がよく分かります。不動産投資の補足説明を致します。
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